タミヤ 1/24 FIAT500F


車体のプロポーションから、インテリア、エンジンまで雰囲気よく再現された、とてもよいキットだったのに、製品ラインナップからはずされ、再販や限定スポット生産が期待されていた、あの1/24 FIAT500が今日(2005年9月3日)再販になりました。早速購入。
厳密に言うと、再販とはちょっと違うことになっています。1/24スポーツカーシリーズ№169として販売されていたものが、この度、生産中止の眠りから覚めて、ヒストリックカーシリーズ№4として販売されたのです。価格は2000円(税別)。タミヤさん、えらい!

海外の模型マニアから「タミヤタッチ」と評される、パーツ割の妙や、組み合わせ具合、組み立て易さ。
そのタミヤタッチを楽しみながらFIAT500ができあがっていくのですから、たまりません。
プラモデルはなんと言ってもタミヤでしょう。

模型自体は以前と変わらず、実車の雰囲気をうまく伝えるだけでなく、作りやすさも追究された、とてもいいキットです。
がパッケージが新しい物になりました。箱絵を縮小し、若干のトリミングを加え、全体は青い色で飾られています。
以前の物は白い箱(写真中、上段)で、いわゆるタミヤっぽいものでしたが、この再販シリーズでは、それぞれの車のイラストにあった箱の色になっています。
そのほか私が注目したいのは、組み立て図の表紙にある実車の解説文。以前と同じ文なのですが、今回改めて読んでみて、思わずうなってしまいました。車だけでなく、戦車や戦艦、飛行機やオートバイなど、タミヤのどのキットのものを読んでもすばらしいんでしょうね。
以下は、三重宗久さんによるフィアット500の解説です。

それは確かに今ほど豊かな時代ではなかったのだろう。ヴィットリオ・デ・シーカ監督が1948年に製作したイタリア映画「自転車泥棒」の中にそれがよく表れている。その頃、多くの人々はまだ自動車を手にすることができず、自転車こそが財産であり交通手段であって、同時に生活を支える大切な物でもあった。その自転車を何者かに奪われて主人公がうろたえたのは、それがなければせっかく手にはいった仕事を失うからなのである。その後自転車が果たしていた役割はスクーターに移り、映画が作られてから10年ほどの後にようやく自動車へと行き着く。1957年にフィアットが500(イタリア語でチンクエチェント )を送り出すからである。その頃、ドイツのフォルクスワーゲン(通称ビートル)やフランスのシトローエン2CVなど、ヨーロッパ各国ではすでに国民車と呼ばれる車が作られていた。その中で登場したフィアット500は彼らよりひとまわり小型であった。どれほど小型かといえば、ボディの外形寸法は現在の日本の軽自動車より小さく、室内は運転席からでもリヤウインドウ内側の曇りがふき取れるほどだった。エンジンは500c.c.にも満たない空冷2気筒だったから、バタタタタと音はけたたましくてもパワーは悲しいほど頼りないし、交差点でのスタートや上り坂ではほとんどの車に置いて行かれた。そのかわり、平坦な道や下り坂ではスポーツカーかと思われるほど生き生きと走ることができた。実際、硬めのサスペンションはコーナーを回る時でもほとんどロールをもたらさなかったし、軽く正確なステアリングと、リヤエンジン配置から来るテールヘビーの特質は、スポーツカーのような操縦の楽しみをもたらした。フィアット500は走るために必要な最低限の機能しか備わっていなかったが、あらゆる装備を持った現代の小型車に比べてはるかに生気にあふれていた。それ故にイタリアの人々に長く愛され、彼らはこの車によって自動車の生活とその豊かさを味わったのである

2021年6月現在、このFIAT500Fは、タミヤのHP上の製品ラインナップには含まれていません。残念なことです。

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